絵がキレイだったり、楽しい仕掛けがあったり、いろんな種類の絵本があります。その中で、大人もつい読んでしまうような内容の絵本ってありますよね。
【はじめてのおつかい】という絵本は有名ですが、同じ作者の方が書いた【おでかけのまえに】という絵本があります。この内容に独特の衝撃を感じました。
子どもの行動やそれに対する親の態度など、自分の育児のあり方を考えさせられる作品で、子どもと大人で違う感じ方ができます。
子どもは行動に対して前向きな気持ちを持てて、大人は親としての自分を見つめ直す機会になる絵本です。ぜひ、絵本選びの参考にしてください。
今回は、おでかけのまえに(絵本)のあらすじと、内容を深堀りしたレビューを書いています!
この記事はこんな人に読んで欲しい↓
- おでかけのまえに(絵本)のあらすじが知りたい人
- おでかけのまえに(絵本)の考察が見たい人
- でかける前に子供を怒りがちの人
おでかけのまえに(絵本)あらすじと作者
●「おでかけのまえに」の作者
作者は筒井頼子さん、絵は林明子さんです。名作【はじめてのおつかい】と同じ作者さんですね。この人たちの作品は親の心も動かすような作品が多い気がします。子どもを思う親心を、主人公の子どもの目線からでも感じることができるんです。対象年齢は2歳~4歳むきとなっています。
●筒井頼子さんと林明子さんの他の絵本のレビュー
●「おでかけのまえに」のあらすじ・みどころ
「ばんざい はれた、はれた!」
目が覚めたばかりのあやこは大喜び。
今日は日曜日。ピクニックに行く日なのです。朝ごはんを食べながら、あやこはいい事を思いつきます。
「おかあさん、みて! わたし おべんとうを つめてあげたの」
それから、お父さんのお手伝いだってします。
「この ばっぐ、しめてあげようっと……」
さらにさらに、お気に入りの服にお着がえして鏡を見ていたあやこは、
「もっと きれいにしてみよう……」あらあら、あやちゃん大変!!お出かけの準備で忙しく動き回るお母さんとお父さんの前で、思いもよらぬ光景が次から次へと繰り広げられるのです。お弁当はぐちゃぐちゃ、お父さんのバッグから荷物が溢れ出て、あやちゃんのお顔がお化粧だらけになり、あげくに…!?
見ているだけで、「キーーッ」となりそうなこの状況。だけど、絵本の中のお父さんもお母さんも怒りません。優しく対応してあげます。それは、あやちゃんが自分で出来ることを一生懸命やろうとしてるってことを知っているから。あやこの無邪気な仕草や表情、それを見守る両親の優しい眼差し、物語の中から作者の子どもたちに対する姿勢を感じることができます。
上機嫌のあやちゃん。嬉しい気持ちのままで出発することができて、良かったね!
出典:絵本ナビ
失敗?イタズラ?行動する子供の心理
主人公のあやこはたくさん失敗したり、手間を取らせたりしてしまうんですが、その行動には「手伝おう!」「今日をもっと楽しくしよう」「早くピクニックにいきたい」という前向きで子どもらしい心理が見てとれます。
親の目線で見ると迷惑だったりするんですけどね。子どもの行動のせいで、出かけるのがどんどん遅くなるんです。子育てあるあるですね。
出かける前にバタバタと準備しているときって、親も気持ちに余裕がないことも多いです。そんなときに子どもが余計なことをして、やることが増えてしまうと、イライラしたり、大きめの声で叱ったりしてしまいがちです。やることを増やして出発を遅らせている本人が「早く行こう!」と言ってきたりしますからね。そりゃイライラもします。
【おでかけのまえに】に登場するあやこのおかあさん、おとうさんは次々に問題を起こすあやこを一度も叱りません。あやこに対して優しく言葉をかけます。私なら叱ってしまうような場面もありましたが、あやこの両親が大きい声を出すことはありませんでした。この日はきっと、あやこにとって楽しい思い出しかない最高の一日になったはずです。
結果的にたくさん問題を起こすあやこですが、そこには悪意は全くありません。その前向きで楽しみな気持ちを、あやこの両親はしっかりと理解して対応しているんだと思います。おそらくずっと楽しみにしていたピクニックの日を、最大限に楽しんで欲しかったんですね。
私は、あやこの両親みたいに気持ちに余裕を持って、子どもの気持ちをしっかり考えて、子どもに接することができているのかな?と考えさせられました。
おでかけのまえに(絵本)は子供にとって“あるあるネタ”
大人とはうってかわって、子どもは「場面が変わってあやこがやらかす」ということが繰り返されるのが面白いのか楽しそうに読んでいました。もしかしたら、手伝ったりして失敗したりするのは子どもにとって「あるあるネタ」のような面白さがあるのかもしれません。
問題を起こしても一度も叱られないあやこを見て、「前向きに行動してもいいんだ」「失敗してもいいんだ」と思ってくれたら嬉しいですよね。失敗を恐れず、行動するというのは生きていくうえで大切なことです。それを少しでも感じてくれたらいいと思います。
おでかけのまえに(絵本)あらすじ・レビュー まとめ
【おでかけのまえに】は子どもは楽しく、親は普段の自分を見つめ直しながら読むことができます。「最近子どもを叱ってばかりだな」と思っている親にはぜひ読んで欲しいです。叱る必要があったのか、子どもはどういう気持ちだったのか、自分がやっている育児を改善するきっかけになるかもしれません。
最後のページで親子3人がピクニックに出かける場面では、一本の映画を見終わった後のような気持ちになりました。子育てって、なにげない日常も壮大な物語なのかもしれないです。
以上【おでかけのまえに】の感想・レビューでした!
最後まで読んでいただきありがとうございました
コメント