【どうぞのいす】は優しい絵柄の可愛い動物たちが出てくる絵本。ほっこりするお話で、間違いなくオススメの絵本ですよ!

私の子どもたちも大好きな絵本です
大人気の作品で、心あたたまるようなレビューを書いている人がたくさんいます。
この記事では、【どうぞのいす】のあらすじやレビュー、私が見る違った視点での考察を書いています。
【どうぞのいす】という絵本でどういった心が育つのか、そして子どもたちは何を学ぶのか、何度も読み聞かせたり1人で読んだりして私なりの答えを見つけました。
これからの時代を生きる子どもたちに読ませたい1冊だと強く感じました。
この記事はこんな人に読んでほしい↓
- どうぞのいすのあらすじ・作者について知りたい人
- どうぞのいすの内容を深く知りたい人
【どうぞのいす】あらすじと作者
どうぞのいすってどんな本なのか、あらすじと作者について簡単に解説します!
作者
著者は作/香山美子さん、絵/柿本幸造さん。出版社はひさかたチャイルド、初版は1981年です。私が1番驚いたのは、初版が思ったより昔だということ!温かい気持ちになると同時に、すごく新鮮さ、新しさを感じる作品だと感じていたからです。
あらすじを簡単に紹介
うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰りひろげられる取りかえっこ。「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本。
引用:ひさかたチャイルド
椅子を中心にしたストーリーで、まるで定点カメラで動物たちを観察しているかのような絵本です。
最初に椅子に置いたものが、次々に交換されていき、「次はどうなるんだろう?」「最後はどうなるんだろう?」と先の展開が気になります。
お遊戯会にも良さそうなお話です。
【どうぞのいす】レビュー!面白さのワケは予想できない展開!
どうぞのいすの面白さって何だろうと考えたときに、1つの答えにたどり着きました。それは、表紙からは絶対に予想できない展開が面白いということ。
表紙には、いすに座ったウサギさんが描かれています。これだけ見ると、どういったお話だと思いますか?
私は表紙だけ見たとき、ウサギさんがいすを譲ってあげる「優しさ」をテーマにした絵本でと思いました。本質は「優しさ」で間違っていなかったんですが、ストーリーはウサギさんの視点ではなく「いす」の視点で進んでいきます。「そっちなんだ!」と驚きました!
この絵本は想像がつかない展開で、大人の私も楽しむことができました。読み終わったあとに、「余韻」を感じる素晴らしい絵本です。
私が予想できないと思ったポイントを3つ解説していきます。
ウサギさんは序盤しか出てこない
ウサギさん主人公じゃないんだ!!読み終わった後の最初の感想はこれでした。表紙に描かれているウサギさん、いす作って大きな木の側に置いただけで、それから登場しません。
普通は表紙に書いてあるキャラクターが主人公ですよね!?「ぐりとぐら」や「はらぺこあおむし」、「はじめてのおつかい」どれを見ても基本は表紙が主人公です!
これだけで、この絵本は普通と違う!と感じました。
誰もいすに座らない
いすに座らないんですねー。まさか、タイトルに「いす」とつく絵本が1回もいすに座らない内容だとは思いもしません。座っているのは表紙だけです。
ロバさんがいすにどんぐりを置いたのはなぜでしょう?作者の香山美子さんが、外出から帰ってきてソファーに荷物を置くタイプの人だからかもしれないですね。

私もそのタイプです。今後は気をつけます。
誰も出会っていない
これが【どうぞのいす】最大の衝撃です!たくさんの登場人物がいるのに、誰とも顔を合わせていないんです!
すごくないですか!?誰とも会っていないのに、いすを通して繋がっているんです!誰とも会っていないのに、誰かに優しさに触れ、それを返しているんです!
この「見えない相手への思いやり」がこの作品のテーマだと思っています。「誰かが見ていなくても、誰かのために行動ができる」という思いやり、優しさを子どもたちが感じてくれたら嬉しいですね。
【どうぞのいす】考察!ビジネスとネット社会
【どうぞのいす】という絵本は、1981年に初版されているのにも関わらず、現代社会へ通ずるものがある作品だと感じました。
初版が思ったより昔だったので、ネットの普及を予言していたのかと驚きです。
私の勝手な深堀り、考察ですが、面白い視点だと思いますのでお付き合いください。
ウサギさんはやり手のビジネスマン!?
ウサギさんは個人で製造から販売まで行う家具職人ではないか?と仮定しました。
ウサギさんはビジネスの手法をうまく使っています。無料お試し、というプロモーションです。まずは自分が作った「尻尾つきの家具」のブランディングをしているんでしょう。
まずは無料で体験してもらって、マネタイズのタイミングをあとにズラしているんですね。アプリの「基本無料」に近いものがあります。
また、「どうぞのいす」という立て札は付加価値ですよね。ただのいすは世界に溢れているので、立て札をつけることによってオリジナリティを出しているんです。
ウサギさんは、このいすがどういう仕事をしているか分析をしていると思い、各ページでウサギさんが隠れていないか探してみましたが見つかりませんでした。
ウサギさん、データは集めないでいいの?凡人の私にはわからない、やり手のビジネスマンならではの手法があるのかもしれませんね。
まるでインターネットの世界!?
【どうぞのいす】は、まるでインターネットの世界だと思いました。顔を会わせていない相手と繋がっているからです。
ネットには、匿名だからといって暴言を吐いたり、誰かを傷つけるような人も存在します。見えない相手も生身の人間だということ、思いやりを持って接するべきだということを【どうぞのいす】で学ぶことができます。
ロバさんは、どうぞのいすにどんぐりを置いて眠っている間に、どんぐりがドンドン違うものに交換され、変わっていきます。
インターネットの世界も同じで、自分が発信したことは残り続け、自分が眠っている間にも他の人と繋がっていきますよね。
これは非常に怖いことでもあります!もしも、思いやりのない動物がいたら、いすには何も残っていなかったかもしれません。
ネット社会は、まだまだ続いていくでしょう。見えない相手も1人の人間として、思いやりを持って接することが大切だと、子どもたちに教えたいですね!
【どうぞのいす】あらすじ・レビュー まとめ
【どうぞのいす】は絵だけでなく、「いえにかえるところでしたからね」や「どうぞならばいただこう」といった文章の言い回しもとても可愛い絵本なんです。
ぜひ、声に出して子どもに読み聞かせしてあげてくださいね。

私もお気に入りの絵本です!子どもより私のほうが気に入ってるかもしれません!

考察もそこまでやる必要があるのか謎チュン
家にあるいすで、どうぞのいすごっこをしても面白いですよ!
登場人物がみんな優しくて思いやりのある動物ばかりの絵本、【どうぞのいす】で子どもの思いやりの心を育みましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント